《MUMEI》

俺「失礼します」
俺は部屋に上がった

奥の部屋に行くと、
麻美が居た

麻美「来ないでって言ったでしょ!……」

泣いてる
俺を見ない…

麻美「…どおして…引っ越したって言ったのに…」

春奈「そうよね、でも、優斗さんは、ここに来たの…」
「確率0%に近くてもよ…」
「麻美、わかる、意味が」
麻美「…」

俺「麻美…」

麻美「やっと決心したのに…何の用なのよ!」

俺「…」

春奈「麻美!素直になりなさい!」

麻美「うるさい!」

春奈「…素直じゃないわねぇ…」

俺「麻美、」

麻美「なによ!」

俺「…忘れ物…」

麻美の携帯をポケットから出した

俺「…これ、ないと、麻美と連絡つかないじゃん」

麻美「…ぐすっ………ぐすっ………」
鼻をすすりながら泣く麻美
麻美の手を握った

ひっこめようとする手を強く引き戻し

麻美に携帯を渡した

俺「早く、帰って来いよ」「俺、いつまでも、待ってるからな」

麻美「…ふぇっ…ふぇぇぇん………」
子供のように泣き出した麻美

春奈「優斗さん、連れて帰ってくれる」


春奈「麻美、もっと自分を信じて…」
「自分で自分を信じれなかったら、絶対幸せになれないよ…」
「逃げてないで、ちゃんと別れてきたら、ここに居させてあげる…」

麻美「…顔、見たら…むり…だもん……」

春奈「だったら一緒に居ればいいじゃない!」

麻美「…甘えちゃう…何でも優しいから…」
「足、引っ張っちゃう…」
春奈「甘えればいいじゃない!」

麻美「…だって…」

春奈「迷惑かけたと思うなら、その分尽くしなさい」「甘える所は甘えるの…」
麻美「…」

俺「麻美が居ないと、ダメなんだ…どんなに約束やぶられても…」

麻美「…約束?…」

俺「黙って居なくなるな、勝手に決めないで、2人で話し合おうって…
約束…したじゃん…」

麻美「…」

俺「麻美、約束やぶった…」

春奈「麻美、帰りなさい、自分の居る場所に」

麻美「…」

俺、麻美の手を引っ張った
麻美「あっ…」

俺「麻美、俺を嫌いなのか?」

麻美「…ち、ちが…」
言葉を飲み込んだ麻美

けど、麻美、やっと俺の目を見た

俺「幸せになるのも、地獄に落ちるのも、一緒だろ」
麻美「…うっ……ふぇーん……」
泣きながら、俺を叩いた

俺「帰ろう」

麻美が、うなづいた

俺「春奈さん、朝早くからすいませんでした」

春奈「いいのよ、けど、ノーメイクでも、わかってね、私、ちょっとショックだったわ」
笑いながら、春奈が言った
俺「すいません…」

俺「あっ、何時?」
「やべぇ、会社に電話しないと」

俺は風邪をひいたと嘘の電話をした

春奈「麻美も電話しな、休むんでしょ、寝てないんだから…」

麻美「…うん………
番号教えて…」

春奈「携帯、あるじゃない?」

麻美「消しちゃったの…会社も、春奈のも…」

春奈「…まったくぅ…」

赤外線でアドレス送る春奈
春奈「麻美、幸せになるコツはね、
相手を思いやる事だよ…
…自分に何が出来るか、それだけを考えてね…」

麻美「…うん…」

チカラのある言葉に聞こえた
春奈さん、新しい出会いがあったのかな?

俺は、後日、お詫びに来ますと言い

麻美を連れて帰った

手を繋ぎながら

俺「麻美、」

麻美「はい…」

俺「この手を、放さないでくれよな、
……何があっても」

麻美「……はい」

麻美の手を強く握った

麻美が握りかえしてきた

麻美「…ごめんなさい…」
俺「麻美が、いてくれれば、それだけで、いいんだ」
麻美を引き寄せた

朝から、手を繋いで歩く
バカップルに見えるかもなぁ

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