《MUMEI》 雛菊は草助に言われた通り、縄を伝い、下へと降りる。 そして、地に足が着くと同時に、力が抜けたようにへたり込んだ。 「‥‥‥‥‥‥‥」 先程までいた部屋には、衰えを知らぬとばかりに煙と炎が渦を巻いている。 「‥っ‥‥」 何故あの時、あの場に自分も残らなかったのだろう。 何故、あの男に逆らわなかったのだろう。 「草助‥」 「なーに暗い顔してんだ?」 「‥‥‥‥、!?」 顔を上げるなり、雛菊は唖然とした。 「‥お前‥‥」 前へ |次へ |
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