《MUMEI》

『お久しぶりです、蒼様』×2

『…』


名前は覚えていないが、…というよりヤローの名前は覚えたくないから覚えていないが


その二人は


俺が飛び出した、本家の屋敷で見た人間だった。


まさか…


『おい。今回の依頼人て…』

『本家の当主です』


よりによってあのクソジジーかよ!


『先生、受けるっておっしゃいましたよね?』


山田の分際で生意気な…


しかし、櫻を他に渡すのは惜しい。


ガシッ!


俺の一瞬の隙をついて二人組が俺の両腕を掴んだ。


『何の真似だ!』

『お支度を手伝わせて頂きます』×2


『髪型と服装の事ですよ〜』


山田の声はするが、姿は見えない。


隠れやがったな、あいつ!

そうして、俺は二人組に連れていかれた。

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