《MUMEI》 最終確認一番最後に昨夜の確認に来たのは祐だった。 「祐也無事だったか?」 「遅いよ。つーかどこ触ろうとしてんだ!」 弁当を食べている俺の下半身に、祐の手が伸びてきた。 「え? ケツ」 「必要無いから」 ギュウ! 俺は、思い切り祐の手をつねった。 「痛っ!」 「自業自得」 痛がる祐に、志貴が冷めた眼差しを向けた。 今日はサッカー部三人組は緊急ミーティングがあるらしく、俺と志貴だけでお昼を食べていた。 「何だよ、心配して来てやったのに」 「一番遅かったくせに」 「仕方ないだろ。今朝知ったんだから」 「「今朝?」」 祐の言葉に、俺と志貴は同時に首を傾げた。 (おかしくないか?) 昨夜の誕生日パーティーの事を誰よりも早く知っているのは 会場にいた人間を除けば祐の母親の志穂さんなのに。 「昨夜は、家にいなかったから」 「「何で?」」 「うちに泊まったから」 俺と志貴の質問に答えたのは ちょっと顔を赤くした葛西先輩だった。 前へ |次へ |
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