《MUMEI》

「ですが──‥何故」

「大好きだから──」

「‥?」

「リュートの事が大好きだから」

「アンリ様‥?」

「嬉しいの。リュートがそれで幸せだって思ってくれるのが──」

「───────」

「だから、もう遠慮しないで」

「ですがそれは──‥」

「リュートは『夜だけ』って言ったけど──欲しくなったら言って。ね?」

「アンリ様‥それでは貴女様の御体が」

「私は大丈夫だよ。ちゃんと食事は摂ってるし──」

「いえ、そうでは無く‥」

「ん‥?」

「只、御無理をなさらないで頂きたいのです‥」

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