《MUMEI》

◆◆◆

「何で消えねぇんだ‥?」

「びっくりした?(微笑)」

「だって‥」

「さっきのはただの火。今のは──」

「‥火の玉‥?」

「当たり(微笑)」

「でも‥お前今どうやって──」

おれがびっくりして目を円くしてると‥

玖珠はその火の玉を手の上に乗せて──

自分の中に戻した。

「‥!?」

「抜き出したのはほんの一部。でもあんたのだったら、ただの火みたいにすぐに消える──」

「何でお前のは消えなかったんだ‥?」

「気持ち次第ってとこかしらね(微笑)」

◆◆◆

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