《MUMEI》

「どこの娘から知らねぇけどさ、あんましこういう事はしねぇ方がいいぜ‥?」

「刀を持つ事をか?」

「お前が男のつもりでいるなら尚更──相手は子どもだろうと容赦はしねぇ。しかもお前はまだ半人前。万一‥」

「私の事なら案ずるな」

「おい、今『私』って言わなかったか‥?」

「!‥ 」

 雛菊は慌てて自分の口を両手で塞ぐ。

(誰も聞いてはおらぬだろうな‥?)

「ん‥、どうしたぁ?」

「‥いや、ど‥どうもしてはおらぬ」

 そう答えながらも、注意深く辺りの様子を窺う雛菊。

 草助はきょとんとするばかりである。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫