《MUMEI》

「ぇ──、そ、そうですか‥?」

まだどうこの御方に接すればいいのかがよく分からいので、時折失礼をしてはいないかと心配なのですが──‥。

何せよ僕は、元は人を脅かすヴァンパイア。

執事の仕事など初めてで、未だに苦戦していたりしますし‥。

「リュートは立派な執事だよ」

「ぇ‥」

「リュートは、私の自慢の執事だよ」

「本当に──」

「本当だよ」

「──有り難うございます」

「───────」

「アンリ様‥?」

どうやら、御眠りになられたようです──。

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