《MUMEI》

「──‥?」

「ぁ‥、御目覚めですか?」

「うん‥。──ずっと‥起きるまで待っててくれてたの‥?」

「御独りにさせる訳には──参りませんから」

「退屈じゃなかった‥?」

「いえ、全く」

「──あのね?」

「はい──」

「夢を見てたの」

「何の──夢を‥?」

「ここにお花が沢山咲いてて、リュートが花冠作ってくれて──」

「楽しそうですね──」

「うん、早くそうなったらいいなぁって」

「もう少しです。そうしたら、御覧になった夢が──現実になりますよ」

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