《MUMEI》

携帯を片手に部屋に戻る。



「かなめ、ケーキはー??」


「明日食べるー!」



ホントは、明日学校に持ってくつもりだ。



部屋に入って、『椎名くん』の番号を呼び出す。



『も、もしもし!!』


「おう、あのさ」


『うん!!』



…なんだ??気合入ってんな…



「…さっき、病院から電話あったんだよ」


『病院?なんで??』


「おれが、ネコについて何か心当たりあったら、
教えてくれって頼んどいたんだ。
―…そしたら」


『ネコ、知ってるって!?』


「…まあ、違うかもしんねえけどさ。
―…明日、病院行ってみようぜ」


『わかった。』


「おう。―…じゃ」



おれが電話を切ろうとすると、



『―…あ、あの…』



蓬田が、おれを引きとめた。



「うん??」


『…あのー…』


「なに、どした??」


『―……なんでも、ない!ごめんね、じゃあね!!』


「おい…??」



電話は、一方的に切れた。



…なんだったんだろう。



―…すげえ、気になる。



蓬田のたったひとことが、
こんなに気になんだもんな。







…もう、すげえ好きなんだろーな。

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