《MUMEI》

「会いにいくよ、新幹線乗ってさ」
「うん」
「電話もする」
「うん」
「メールもする」
「うん」
「愛してる」
「‥‥う、ん」

俯いた頬が微かに引きつっていて、それを見るのはプライドを傷つけてしまうんだろうと俺は恋人のふわふわした髪を見つめていた。

あぁ、昔はこいつのこと茶髪の男としか思ってなかったんだ

短い間に色んなことがあった、あの日の青い空を思い出した。

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