《MUMEI》 紅茶を御召し上がり頂いた後、指輪を捜すと仰られたきり、アンリ様は御部屋に戻られていません。 御手伝いしたいのですが‥独りで 捜したいとの事。 なので僕は、アンリ様が指輪を見付け出されるのを御待ちするしかありません。 ですが──‥ 「‥‥‥‥‥‥‥」 どうにも気掛かりでなりません。 砂時計をひっくり返してから‥だいぶ経ったような気がします‥。 「──────‥」 やはり──あの御方を只御待ちするだけでは‥。 いけないと思いながらも‥僕の足は扉の方へと向かって行きます。 前へ |次へ |
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