《MUMEI》

 日が昇り、二人は再び歩き始めた。

「っとー‥どっかに団子屋──」

「無理に探さずとも良いぞ‥?」

 そう言った雛菊に、草助はにぱっと笑い掛ける。

「なーに言ってんだよ、食いたいんだろ? 団子」

「そう‥だが‥」

「なら付いて来な。ちゃんと食わしてやっからさ」

「‥ぁぁ」

 大勢の民が行き来する中、雛菊は、はぐれぬよう草助の袖を掴んで歩いて行く。

(人が多いな‥)

「おぶってやろうか?」

「!?」

 いきなりの台詞に、雛菊は動揺した。

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