《MUMEI》

「もう良いぞ、草助──」

「?」

「これでは日が暮れてしまう」

「大丈夫だって、まだ昼にもなってねぇんだぜ?」

「───────」

 何故、この男はこうも楽観的なのだろうか。

 雛菊は、少し羨ましく思った。

「おっ、華郎、あったぞ団子屋!」

「‥?」

 見ると、確かに団子屋だ。

「凄いな‥草助──」

「だろっ?」

「‥調子者だな‥」

「?」

「いや、何でも」

「ま、とにかく団子食わせてやっから安心しな」

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