《MUMEI》

「お前は本当に食べずにいて大丈夫なのか‥?」

 団子屋に入っても茶を啜るだけの草助に、雛菊が尋ねた。

 草助は苦笑を漏らした。

「いいから食っちまいな」

「‥‥‥‥‥‥‥」

 雛菊は呆気にとられていたが、団子を囓り始める。

「ぉ、そうだ──それ食ったらここらの店回ってみるか?」

「‥何故だ‥?」

「たまには楽しみも必要、だろ?」

「呑気だな──‥」

 雛菊がそう言うも、草助はまるで気にする素振りを見せない。

 雛菊が自分の茶を差し出すと、彼はにぱっと笑い礼を言った。

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