《MUMEI》

麻美「…優斗…、怒りにまかせて、人を傷着けたでしょ…」

俺「…」

麻美「…私が言うと、おこがましいけど…」
「もし、それで、優斗が犯罪者になったら、私、もっと、後悔しちゃう…」

俺「…」

麻美「ねぇ…冷静になれないのは、わかるけど…」
「やっぱり、暴力は、いけないと思うの…」

俺「…」

麻美「…私が原因だから…説得力ないよね、何言っても…」

俺「麻美の言ってる事は、正しいよ」

「俺が、人殺しになったら、麻美、責任感じちゃって、…」
「…悲しい思い、させちゃうもんな…」

「…反省してる…」

「…俺が、麻美を苦しめちゃ、ダメだもんな…」

「ごめん…麻美…」

麻美「あ、謝らないで、」「…優斗が、不愉快なの…わかる…」
「…でも、あのとき…」

麻美がうつむき、
言葉を飲み込んだ

俺「エリを助けたかった…」

麻美が俺を見た

俺「奴らは、エリを凌辱して、アキラさんに、嫌がらせ、仕返しかな………」

麻美「…うん…」
「…言ってた…」
「逆恨みしてるみたいだった…」

俺「だいたいの事情は聞いたよ…」

麻美「…」

俺「麻美、エリの結婚が破綻したらって考えたの?」
麻美「…」

俺「もし、エリが襲われてしまったらって…」

麻美「…」
麻美がうなずいた

俺「…アキラさん達、式あげないって言いだしたよ」
麻美「えっ!」

俺「俺と麻美を不幸にして、自分達だけなんて、無理やりだって…」

麻美「…」

俺「…麻美…俺な…」

「…………」

俺は、でっかく深呼吸した
俺「言葉…悪いけど…」

「麻美が、奴らに輪姦されたとしても、麻美と、
離れて生きてく事なんて、出来ないよ…」

麻美「…」

俺「…麻美がいないと…」「ダメなんだ…俺…」

「ホントは、麻美を幸せにしてやる事、考えなくちゃいけないんだけど…」

「…俺、自分が幸せになる事ばかり、考えちゃって…」
「…麻美が、居ないと…」
「………」

言葉が出てこなかった

伝えたい事、  たくさんあるのに   言葉に  ならない ……… 

麻美「優斗、泣かないでよぉ」

俺、下を向いたまま、
拳を握りしめてた

ソファーに、涙が落ちる

麻美「優斗…」

俺「嫌なんだよ!!」
「麻美が居ないのは!」

「嫌なんだょ…」

麻美「…」

弱いなぁ、俺…

麻美を守るどころか、
自分の感情すら、コントロールできない

言葉も出ない

麻美も、何も言わない

静かな部屋の中で、
壁掛時計だけが、
コチコチと
規則正しく動いていた

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