《MUMEI》

アンリ様に作り方を教えて頂いて──何とか花冠が完成しました。

「───────」

「出来たね」

「はい、御陰様で──。‥あの‥アンリ様」

「?」

「御受け下さいますか、この冠を──」

「うんっ」

頷かれたアンリ様の頭に、そっと、花冠を乗せて差し上げました。

「──よく御似合いですよ」

「本当っ?」

頬を染めて花冠に触れるアンリ様を見つめていると、僕の頭に、ふわりと何かが乗りました。

「‥?」

「ほらっ、リュートも似合うよ」

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