《MUMEI》

「アンリ様、あの──その動物は‥」

「兎だよ?」

「兎──」

「抱っこしてみる?」

「ぇ‥、ですが‥」

「こうやってね、そうっと──」

アンリ様は器用に、兎を抱かせて下さいました。

「ね、大丈夫でしょ?」

「はい──有り難うございます」

ふわふわとしていて可愛らしいです──。

何処か、アンリ様に似ているような──。

「?」

「アンリ様に似てますよね」

「兎?」

「はい」

「そうかな──」

アンリ様は、まじまじと兎を見つめてきょとんとされました。

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