《MUMEI》
おかしな女(蒼視点)
面白れ〜


櫻はひたすらピアス、ピアスと呟いていた。


その反応が新鮮で


「あ、蒼様?」

「ん?」


思わず、頭を撫でていた。

「いや、無邪気だなぁと…」


無邪気?


その言葉に、赤くなった櫻より俺が驚いた。


何で、こいつこんなに『無』邪気なんだ?


これじゃ、吸いとる必要無いじゃんか?!


つーか、何でこれで成仏しねーで百年もこんなとこにいるんだよ?!


おかしいだろ、絶対!


そこで、普通はパニックになるとこだが


さすが、俺。


頭、意外と冷静。


「あの?」

「今から言う質問に答えろ」

「は?」

「いいから、正直に答えるんだ」

「は、はい」

「よし」


素直に頷いた櫻の頭をまた撫でてから、俺は状況を把握する為の質問を開始した。


撫でた髪は、予想以上に柔らかく、クセになり、一つ答える毎に


「よしよし」


つい、撫でていた。


まぁ、いいよな、この位


『不用心です!』とツッコむうるさい山田もいないし


生気も取られないし

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