《MUMEI》
癒しの桜(櫻視点)
「あ〜、もう! わけわかんね〜!」

「お役に立てなくて、すみません…」


本当に私は、いつまで経っても役立たず…


これでも蒼様の質問に頑張って答えようと思ったのですが…


『知りません』

『わかりません』

『すみません』


私が言えたのは、これだけ


こんなの、答えじゃない…


私がため息をつくと同時に


蒼様の大きなため息が聞こえました。


「頭、痛ぇ…」

「え?」


た、大変!


そうだ!


「あ、蒼様!」

「ん?」

「桜の幹に寄りかかって下さい!」

「あ゛?」


こ、怖い!


蒼様、目付きと声が怖いです!


でも


「だ、騙されたと思って」

私は、この桜の幹に寄りかかるように座っていると


不思議と体調が良いのです。


だから、蒼様もきっと…!


「騙したりしたら…どうなってるかわかってんだろうな?」


わかりません!


「はい」


でも、こう言わないと蒼様は私の言うことを聞いてはくださらない


そう思い、私は頷きました

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