《MUMEI》

ぽかぽかとして──本当にいい御天気です。

「リュート、こっちにも沢山咲いてるよっ」

アンリ様が御呼びになったので御伺いすると、それこそまさに花園のような景色が広がっていました。

「綺麗ですね──」

「リュートがお世話してくれてるお陰だね」

「僕が‥?」

「リュートが毎日お水あげたりしてくれてるからだよ」

「───────」

「ありがとう、リュート」

「ぁ‥、いえ、僕は──」

「知ってるよ? リュートが朝早起きしてお庭の様子を見てくれてるの」

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