《MUMEI》

「アンリ様──」

御存じだったのですね──。

「リュート?」

「──向こうの果樹園にも行ってみますか?」

庭園の奥には果樹園と畑があり、大抵の野菜や果物は、そこで育てているんです。

そして、今はちょうど桜桃が実る時期。

「ほらっ、行こう?」

「──はい、アンリ様」

手を引かれ、歩き出したその先には──蔦のアーチが聳えています。

2人でここを訪れるのは、初めての事です──。

「わぁ‥」

アンリ様は木々を見上げて、うっとりとされました。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫