《MUMEI》
悩んだ末
   〜麗羅視点〜


「麗羅、じゃあまた明日ね!」


真星は笑顔を浮かべ大きく手を振り去って行く。


私も頷き真星に手を振る。


結局、真星の話は途切れることはなくて、私はずっと真星の話を聞いているだけだった。


やっぱり言いたくないのかな?


誰にでも言いたくないことはあるだろうし・・・


でも何だか少し悲しいな。


仲良くなったのは最近だけど、一緒にいるんだから頼って欲しい・・・。


"一緒にいるんだから頼って欲しい"こう思うのは我が儘なのかな・・・


胸がギューッと押し潰されるように痛む。


本当はね、栄実にも頼って欲しかったよ。


でも頑張ってる栄実にそんなことは言えないから・・・せめて栄実にとって迷惑でも私に出来ることをさせてね。


そんなことを考えながら本屋さんに向かう。


色々考えているとすぐに本屋さんに着いた。


取り敢えず、お菓子作りの本があるコーナーを探す。


あっここかな?


そこには沢山のお菓子作りの本が置いてあった。


あっこれいいかも!


良さそうな本を手に取り開いてみる。


本のタイトルは"初めて作る人でもできる手作りお菓子"だった。


パラパラとページをめくり、チョコレート系のお菓子を探す。


ガトーショコラかぁ・・・一応候補にいれとこう。


ブラウニーにトリュフ、マドレーヌやフィナンシェのチョコレートバージョン・・・他にも色々なお菓子が載っていた。


ん゙〜どれがいいんだろ?


沢山ありすぎてどれにしようか迷う。


その本の最後の方には"慣れてきた人のための上級レシピ"というのも載っていた。


あっこれ良さそう!


私の目を一際引いたのは、"ショコラ生地にフォークを入れると流れ出るチョコレート"っと説明に書かれたフォンダンショコラだった。


でも上級者向けのお菓子作れるかな・・・?


一通り作り方に目を通す。


・・・・・難しそう!


でも・・・頑張って作ろう。


栄実が少しでも笑顔になれるように、頑張るんだ。


私は、"初めて作る人でもできる手作りお菓子"を握りしめレジに並ぶ。


あっ忘れてた!


私は他にも買おうと考えていたものを思い出し、そのコーナーへ行く。


これ可愛いな、少し栄実っぽい・・・買うものが決まり再びレジに並ぶ。

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