《MUMEI》

「お前‥‥‥今まで‥」

「ちょっとな」

 苦笑した草助をみるなり、雛菊は安堵して目を潤ませた。

「心配を掛けおって‥」

「わりい」 

そう言うと同時に、草助は相手の刀を払った。

 払われた刀は空を舞い、地に突き刺さる。

「観念すっか?」

 相手は諦めたか、地から刀を抜き取るとその場を立ち去った。

「──ふうっ」

「‥‥‥‥怪我は無いか」

「ぇ?」

「怪我は無いのか」

「ぁぁ、大丈夫だって、大した事──」

「しておるのか!?」

「な、何だよ急に‥」

「来い」

「おいっ、雛──、華郎‥!?」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫