《MUMEI》

ギッ……



ベッドの振動が伝わり、彼が目覚めたと気付く。

「痛っ……」

悲痛に悶えるような鳴き声がする。
床で散々無茶をしたので痛みがあって当然だろう。



暫く、誰もいないかのような沈黙にもういなくなったのかと錯覚した。


ベッドから程なくして一人分の重さが無くなり、
着替えるような布擦れの音が聞こえる。



これが最後なんだと思えたら何故か胸が締め付けられた。

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