《MUMEI》

「おい、雛──‥」

「何故お前は‥」

「雛菊、落ち着けって‥」

「何故分からぬのだ草助‥っ」

「───────」

「私はお前に守って貰わずとも良いのだ‥。お前が無事であるならばそれで‥」

「な‥、何言って──」

 草助は、ただただ困惑するばかり。

(どうしちまったんだ‥? こいつ──‥)

 草助が何も言えずにいると、雛菊が俯いたまま立ち上がった。

「おい、雛菊‥」

「‥風に当たって来る」

「───────」

 草助は止める事も出来ず、ただ雛菊の背を見つめていた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫