《MUMEI》

母親が一口、ケーキを食べた。


『美味しい……優しい味…あなた、一口食べて見て下さいな…この子の味がします…。』


『ふん…ケーキなぞ、どれだって味なんぞ変わらん…』
ブツブツ言いながらも、一口食べる父親。


『……』


『ね…美味しいでしょう?ありがとう、進。幸せな気持ちになるわ、あなたのケーキ。』


佐渡は、母親の言葉に嬉しそうに笑った。


『父さん、母さん、僕は、将来、人に喜んで貰える仕事をしたいと思ってるんだ。

だから〜僕の意志も入れて、これからは三人で話し合いたい。』


『進の気持ちは、分かったわ…じゃ、家へ帰って来るのね?』


『うん…父さん、母さんが良いと言えばね。』

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫