《MUMEI》

『あなた?』


『私は、お前が将来、苦労しないように〜と考えて、お前の為に…だが〜それは、押し付けだったのか?

お前から、選択の自由を奪う行為だったのかもしれないな…』


『父さん、僕が与えられる事に慣れて、甘えていたんだよ。父さんには感謝してるよ、本当だよ、いつも僕の事を考えてくれてたよね。ありがとう、父さん。』


父親は〜息子の顔をマジマジと見詰め…その成長した姿を眺めた。


それから〜佐渡くんの両親は、姉妹に頭を下げて、帰って行った。


佐渡くんも、その夜、めでたく居候から卒業した。

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