《MUMEI》

「そういう問題では無い」

「ぇ?」

「何故言う事が聞けぬ」

「お前のか‥?」

「心配も‥何もかもお前は気付いておらぬでは無いか」

「雛菊──」

「‥何だ」

「悪かった」

「‥‥‥‥‥‥‥」

「許してくんねぇかな──」

「‥ならば、守られると誓え」

「‥?」

「お前が拙者を守るなら──拙者もお前を守る」

「雛‥」

「信じられぬか」

「いや、そういう訳じゃ‥」

「ならば誓え。そうしたら許してやる」

 雛菊は背を向けたまま、静かに髪を靡かせていた。

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