《MUMEI》

程無くして出来上がった、赤い飲み物──。

「──どうぞ」

「ありがとう」

グラスを手にされたアンリ様。

「御味は如何でしょうか──」

木苺のジュース──御木に召して頂けたようです。

「リュートもどう? 美味しいよ」

アンリ様はグラスにジュースを注いで、僕に差し出されました。

「はい、リュート」

「───────」

見た目は報酬の色に似ています。

「どう?」

「──甘いですね」

「美味しいでしょ?」

「──はい」

アンリ様の血には敵いませんが──これもなかなか美味しいです。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫