《MUMEI》 程無くして出来上がった、赤い飲み物──。 「──どうぞ」 「ありがとう」 グラスを手にされたアンリ様。 「御味は如何でしょうか──」 木苺のジュース──御木に召して頂けたようです。 「リュートもどう? 美味しいよ」 アンリ様はグラスにジュースを注いで、僕に差し出されました。 「はい、リュート」 「───────」 見た目は報酬の色に似ています。 「どう?」 「──甘いですね」 「美味しいでしょ?」 「──はい」 アンリ様の血には敵いませんが──これもなかなか美味しいです。 前へ |次へ |
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