《MUMEI》

「―…ゴジラ!?」



私達は驚いて立ち上がった。


ゴジラは、ネコを追って病院の入り口から飛び出していったところだった。



「―…まって、ゴジラ!!」



慌てて後を追う。
椎名くんも、私に続いた。



でも、ゴジラは意外と足が速い。
すぐに見失ってしまった。



「…どうしよう、ゴジラが―…」



私が途方に暮れていると、



「…しっ」



椎名くんが唇に指をあてて私を黙らせた。



「…あっちから、聞こえる」



椎名くんはそう言うと、私の腕を掴んで歩き出した。

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