《MUMEI》
第一発見者
「先輩!大丈夫でしたか?!俺、あの後心配だったんですけど……高遠先輩が居たしそんな大事ないとは思いましたが……ああ、とにかく無事で良かった!自転車は家に届けましたから。」

俺の顔を見てから安西は一気にまくし立てた。


「うん?コブがあるくらい」

七生のことは話題振られたらテキトーに口裏合わせとこう。


「俺のママチャリじゃ追い付かないし、ウチ先輩は足超速くて……高遠先輩の車を追ったみたいですけど結局、追い付きましたか?」

安西サラっと言ったけど車を追うなんて……


「実にアレがしそうなことだな。」


「ええ?!」

乙矢的にはアリなんだ?!


「途中道が入り組んでたからな、諦めて帰ったんだろう。」

乙矢、プロファイリングしているし……。



「先輩、元気出してくださいね。……俺、先輩が笑っているの見てたら和みますから。」

あら、安西、優しいじゃない。
乙矢みたいなさりげないエスパーさはないけど親身になってくれる。


「頭打ったせいかな、今は全然元気だから!」

皆、俺を労ってくれる。
七生の影響力はどれほどのものだったのか、会話の至る所に見え隠れしていた。

七生は見知らぬ人……俺は俺なりに前に進まなきゃ。

俺は俺の為に今を生きる。



七生、
それまでお別れだよ。

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