《MUMEI》
特別席
「ここ、リュートの席ね」

「──はい、有り難うございます」

示されたのは、アンリ様の向かいの席。

「───────」

「ほら、座って?」

「──ぁ‥、はい」

何だか緊張してしまいます──。

この席は、丁度この御方と向かい合う形になるので──。

「──リュート」

「───────」

「リュート‥?」

「! はい、何か──」

「食欲、ない?」

「ぁ‥、ぃぇ、そういう訳では‥無いのですが──」

何だか頬が熱いです──。

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