《MUMEI》

「っし、んじゃあ‥どうすっかな──」

「もう場所を移すのか」

「いや、別に急ぐこたねぇんだけどさ──何となく、な」

「ふむ、ならば行くとするか」

 草助の後に続き、雛菊が歩き出した時だ。

 「‥!?」 

 目の前に立ち塞がった、数人の男。

「な‥っ」

「御無事で何よりです、姫様」

「お前‥何ゆえ‥」

「御戻り願います、雛菊姫様」

「おい、あんたらひょっとして──」

 草助が尋ね掛けた、その時だった。

 がしゃり、と二本の槍が交差され、彼は目を見張る。

「おい、何の──」

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