《MUMEI》 どうやら、草助は牢に連れて行かれるらしい。 手首を後ろで固定され、間を二人に挟まれている。 逃げ出す事は困難だ。 「参りましょう、姫様」 家来の一人が、雛菊を促す。 「放せっ! 私の言う事が信じられぬのか!?」 雛菊がいくら叫ぼうとも、その言葉を聞く者はいない。 「草助っ、逃げろ!」 「心配すんなって」 「‥なっ‥」 雛菊は言葉を失う。 (何を言うておるのだ‥お前は‥) 雛菊には、どうにも理解し難い事だった。 前へ |次へ |
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