《MUMEI》 雛菊は鍵を手に、地下牢へと向かっていた。 「──姫様」 「‥!」 「何方に」 「‥気晴しに歩いてみたくなっただけだ」 「左様でございますか」 家来は特にそれ以上言及してはこなかった。 だが雛菊は、かなり気を張り詰めていた。 城の中では、必ず人目に触れる事になる。 そのような中で、地下牢に潜り込むのは、至難の業であるに違いない。 (草助‥) 心の中で呟く。 必ず助け出すのだと。 彼を助け出し、また旅に出るのだと。 前へ |次へ |
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