《MUMEI》 花瓶の御水を代えていると、気配がして──僕は振り返りました。 「如何──なされました?」 「ううん、ただ‥リュートが何してるかなぁって思って──」 「御水を代えていたんです」 「そっか──」 「何か御用件はございますか?」 「──あのね、お庭で一緒に本読んだりしたいなぁって──」 アンリ様はおずおずと、背に隠されていた本を僕に見せて下さいました。 「では、ベンチに参りましょうか──」 「いいの?」 「勿論でございます」 前へ |次へ |
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