《MUMEI》 庭園にやって来ました。 ベンチに腰掛けて、アンリ様が本を開きます。 「昨日はここまで読んだから──今日はここからだね」 アンリ様は枝折を挟んであるページから、御話を読み始められました。 声に出して読んで下さるのが、いつも楽しみなんです。 「───────」 鈴のように澄んだ声音。 心地良いメロディのような。 5ページ程御読みになった所で一旦本から目を離され、アンリ様は僕に笑い掛けてこられました。 「面白い?」 「はい、楽しい御話ですね──」 前へ |次へ |
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