《MUMEI》 「………。」 唖然として、声にならなかった。 青年はシーフォードに近付くと、 手を高く掲げて大きな滝を現した。 そして、その滝をシーフォードの身体の上から被せる。 「な、何してるんですか?」 俺は、隣りにいたグレイドに耳打ちした。 「あれはな……シーフォード様の身体を清めているんだ。」 その言葉にシーフォードを見やると、 シーフォードは、とても気持ち良さそうに体を歪ませていた。 凄いな……。 感心していると、 「君、クラウドくんだっけ?」 突然誰かから声を掛けられた。 誰? 声のした方へ体を向けると、 さっきの少年が立っていた。 少年は興味深げに俺を見回している。 「……あの、なんですか?」 「ん?あ、悪い!」 少年は申し訳無さそうに謝ると、 「俺、カイン! 君は??」 俺の名前を尋ねて来た。 前へ |次へ |
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