《MUMEI》

アンリ様が仰った通り、瓶には少しづつ蜜が溜まっていきます。

「綺麗な色ですね──」

アンリ様の髪の色と同じ、艶やかな金色。

瓶が一杯になる頃、蜂蜜が流れるのが止まりました。

「これ、使えないかな──」

「この蜂蜜で──何か御作り致しましょうか」

「うんっ」

「何が宜しいでしょうか」

「マドレーヌとかどうかな──」

「畏まりました。‥アンリ様‥?」

「ちょっと疲れちゃった‥。御部屋に戻ってもいい?」

「御具合が‥宜しく無いのですか‥?」

「ううん、休めば大丈夫」

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