《MUMEI》 アンリ様──‥御疲れだったのでしょうか‥。 それともやはり、何処か御体の御具合が悪いのでしょうか‥。 「‥リュート‥」 「! アンリ様‥」 僕の目に映ったのは、扉に寄り掛かるようにしてやっと立って居られるアンリ様でした。 「アンリ様‥如何なされ‥」 支えようと肩に触れた瞬間、 「‥!」 熱があるのだと分かりました。 「今、御部屋に‥」 「大丈夫‥」 「御無理をなさらないで下さい」 「───────」 「御部屋に戻りましょう、アンリ様」 前へ |次へ |
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