《MUMEI》
何となくあの犬が気になって私はあの道に来てしまった。
コンビニで買った魚肉ソーセージを握りしめながら前進する。
だってパンくれた人間が来たら当然私に向かって来るでしょ?
そうなったらこれを与えてダッシュで逃げるのだ。
案の定犬はどこからかともなく現れた。
私は少しちぎってアスファルトに落とす。
犬はちらりと私を見たが、やはりがっついて食いだした。
白くて薄汚い犬
まさか…ね…
「私何してんだか…」
残りを一気に与えて私はダッシュした。
ちょっとだけ恥ずかしくなりながら。
だって阿呆じゃん!
なんでこんな事!
ありえないありえないありえない!
普通しないっちゅーの!!!
犬があの男な訳あるか!!
しかもいきなり恋人なんてマジありえないし!!
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