《MUMEI》

「起き上がれますか‥?」

「うん」

アンリ様はゆっくりと起き上がられ、カップを御受け取り下さいました。

「────────」

「如何ですか?」

「うん、美味しい」

「御口に合って良かったです──」

「これを飲んだらお薬だったよね」

「はい」

「リュート──‥心配してる?」

「──ぇ‥」

「すぐに治るから大丈夫」

「───────」

「じゃあ、お薬飲むね」

アンリ様は御薬を飲まれ、再び横になられました。

 僕は御側に付いて、その小さな手を握り締めていました。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫