《MUMEI》 「起き上がれますか‥?」 「うん」 アンリ様はゆっくりと起き上がられ、カップを御受け取り下さいました。 「────────」 「如何ですか?」 「うん、美味しい」 「御口に合って良かったです──」 「これを飲んだらお薬だったよね」 「はい」 「リュート──‥心配してる?」 「──ぇ‥」 「すぐに治るから大丈夫」 「───────」 「じゃあ、お薬飲むね」 アンリ様は御薬を飲まれ、再び横になられました。 僕は御側に付いて、その小さな手を握り締めていました。 前へ |次へ |
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