《MUMEI》

『俺の他に、誰か男は来たか?』


男?


『櫻』

『櫻』

『櫻』





『僕は』

『俺は』

『私は』


『君が』

『お前が』

『あなたが』


『ス キ ダ ヨ』





私…


私はもう、誰にも『大好きです』なんて


簡単に、言えません


何故かは


ワカラナイ


けれど


私の 好きと


周りが言う好きは


違うから


何も答えない、私


あぁ、また


また、桜吹雪


また、眠くなる


『本当に、誰も来なかったのか?』


えぇ、蒼様


だって、あれは、夢


いつもいつも


桜吹雪と共に、儚く消えた夢


目が覚めると、忘れる夢


あぁ、でも…


何故か、今は微かに覚えています


だから


お話させて下さい


今のままでは


喋る事も、できませんから

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