《MUMEI》 「さて‥と‥」 いつものように、空き家に身を潜め横になっていたが、草助はあまり落ち着く事が出来ない。 「ぁー‥何か変なんだよなぁ‥」 横たえていた体を起こし、草助は外へ出る。 「まだ陽ぃ出てんだな‥」 橙色の陽の光を眩しげに見つめ、彼はふと足元を見る。 「ぁ‥」 可憐に咲いた、小さな花。 (雛菊‥) 草助はしゃがみ込むと、まじまじとその花を見つめた。 「綺麗なもんだな──」 あの姫のようだ、と思い、草助は穏やかな心持ちがした。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |