《MUMEI》

「ぁ、あの‥アンリ様‥?」

何だか動悸が物凄いのですが‥。

「大丈夫みたいだね──」

「?」

「良かった」

「確かめて下さったのですか‥?」

「うん」

「ありがとうございます」

「これで明日も、お庭に行けるね」

「はい」

「そうだ‥、今何時?」

「4時でございます」

「そっかぁ、じゃあ私、だいぶ寝てたんだね──‥」

「何か──御持ち致しましょうか」

「ううん、今は大丈夫」

「紅茶などは──」

「えっと‥、じゃあ──夜のお食事の後に出してくれる?」

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