《MUMEI》 水着「あぁ、祐也」 「今度は何だよ!」 「庭にプールがあるから、部屋で水着に着替えて出てこい」 「… … はぁ!?」 (水着? プール?) やけに沈むベッドに腰かけていた俺は、勢いよく立ち上がった。 「俺、日焼け禁止なんだけど!」 ここは、山の上。 紫外線は、意外と強い。 「日焼け止め塗れば問題無い」 「持って…」 「もちろん、持参している」 「あ、そう」 「もちろん、水着もそこに入っている」 「…あ、そう」 そことは、忍が持参した俺の着替えが入った旅行カバンだ。 「温泉の時の復習だ。それに… 父が祐也が泳ぐ姿を見てみたいらしい」 「護が?」 「あぁ。 無様な姿になりそうなら、自信が無いならそう伝えるぞ」 「馬鹿にすんな!」 (俺の平泳ぎを見せてやる!) 「じゃあ、十分後。プール集合」 「わかった!」 そして、俺は、忍が用意した水着に着替えた。 それは、世に言う ブーメランパンツ (布面積少なくないか?) 体育の時間に皆が着けていた水着とあまりに違う。 疑問に思いながらも、それしかなかったから、俺はそれを履いて庭に向かった。 前へ |次へ |
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