《MUMEI》
ブーメランの謎
「お待た…


何で忍も同じ水着!?」


(ヤバいだろ! それ!)


俺と違い、忍の体は逞しい。


どこも、かしこも。


…当然のように、アソコも。


(ま、護〜!)


ある意味裸よりいやらしい感じの忍を見て、俺は白いパステルの下の椅子に腰かけている護に救いを求めた。


護は…


ただ、苦笑していた。


(止めてくれ、親として執事として!)


「忍は今回、泳ぎじゃなくて『あれ』を教えたいんですよ」

「『あれ』?」


護が指差した先には


プールの、飛び込み台が見えた。


ただし


普通より、異様に高い。


「これは、飛び込み用プールだからな」

「泳ぎじゃなくて?」


よく見ると、プールの深さも普通より深かった。


「だから、空気抵抗の少ないその水着なんですよ」

「でも、何で?」


(何で別荘のプールが飛び込み用なんだ?)


首を傾げる俺に、忍が告げた。


「旦那様の父親が、旦那様用に作られたからだ」


そして、護が更に説明した。


「也祐様と幼なじみの二人は、空を飛ぶような飛び込みの感覚が大好きだったのですよ」


(幼なじみ?)

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