《MUMEI》 第八華暫しの後、団子を手に雛菊は歩いていた。 店で休んでいってはどうかと女将が言ってくれたのだが、雛菊はやはりじっとしてはいられなかったのだ。 (夜までに‥行ける所まで行く他あるまいな‥) 途中何人かの武士とすれ違ったが、あの男では無かった。 (やはり簡単にはゆかぬか‥) 心細さに、きょろきょろと見回してみるものの、やはりあの男はいない。 「何処に居るのだ‥? 全く‥」 何をこんなにも苛々しているのだろう、と思うが、最早自分自身でも分からないのである。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |