《MUMEI》 飛び込み護の一言に、俺は仕返しとばかりに背中の日焼け止めを塗った。 (ついでにここも…) 忍の水着に手を伸ばす。 パシッ! 「必要無い。服で隠れる」 「そっ…… って、俺も着物で隠れるから必要無かったじゃん!」 「嫌がらせだ。 気にしろ」 「普通、気にするなだろ」 「安心しろ。俺は普通じゃない」 「知ってるよ!」 そうして俺達は というか、俺だけが ギャーギャー言いながら今度こそ飛び込み台に上った。 「最初は姿勢を崩さずただ落ちろ。 見てろよ」 ダンッ! 忍は胸の前で腕を交差させ、両足をピッチリ揃えて落ちていった。 パシャッ 「やってみろ。サル」 「サル言うな!」 怒鳴りながらも、俺は実は ワクワクしていた。 (不思議だ) 恐怖がまったく無かった。 ダンッ! そして、俺は迷いなく飛び パシャンッ 深いプールに吸い込まれた。 (き、気持ちい〜!) プールサイドに向かう俺の平泳ぎも護にほめられるほどサマになっていた。 そして、俺は、クタクタになるまで飛び込みを続けた。 最後には、一回宙返りができるほど上達していた。 前へ |次へ |
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